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公爵令嬢はサブヒロイン
ーサブヒロインー
それは少年漫画や小説の物語において時として、ヒロインよりも出番が多く、人気も出る事があると言う。
だがしかし、往々にして出番の少ないヒロインよりも主人公(男)といた時間が長いのに、何故か結ばれない。それがサブヒロインの役割である。
♢♢
私の前世は日本人だったけれど、某ファンタジー小説に必要不可欠のサブヒロイン。公爵令嬢ユウフェ・ヴィクレシアに転生した。
この小説のサブヒロインの役割は以下のとおりだ。
勇者と政略結婚の為の婚約を果たして、勇者の婚約者として、私は愛を、勇者は情をかけてくれて、ある一定の好感度は読者からも勇者からも他の女キャラよりもある。
ヒロインが長らく出ない間に良く出てくるサービス担当がサブヒロインである私だ。
サブヒロインは主人公と結ばれない。結ばれるルートはない。
例に漏れずに、このファンタジー小説のサブヒロインも、最後までどっちが勇者と結ばれるんだろうと読者に思わせておいて、主人公である勇者とは結ばれない。
出番はヒロインよりもあるのにだ。
『こっちと結ばれるかと思った!』とか中盤まで思ってたけれど、読者人気がヒロインの方があったので仕方ない事だ。
そして、この世界をハッピーエンドに導く為には私が最後、サブヒロインとして活躍しなければならない。
この物語、最終回近くの出来事は簡潔に言うと以下の通りだから。
ー 勇者とヒロインが愛のキッスで南の魔王を倒し
サブヒロインと北の魔王が結婚する事で混沌とした世界が平和になるのだー
意味わからないだろうと思う。特に後半は本当に意味がわからない。
だけど此処は現実なので諦めるしかない。
つまりこの世界のサブヒロインは世界平和の為に重要で必要不可欠な役割なのだ。
大切な領民の為にも、前世でも今世でも大好きな勇者に、この世で受けた恩返しをする為にも。
私は、完璧なサブヒロインとしての役割を果たさなくてはならない。
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