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結婚
「結婚、おめでとうございます!」
今日、俺と加奈は正式に結婚した。
「おうおう! めでてぇな!」
「ライオか。絡むな」
「いいじゃねぇかよ。それにしてもお前の新しい嫁さんもきれいじゃねぇか。うちの嫁よりもきれいじゃねぇかい」
早速獣王ライオに絡まれた。ライオのやつは酔うと絡み酒になるから面倒だ。それにしても獣王のやつはそんな事言っても大丈夫なのか?
「……あなた?」
「ひっ! いやいや、今のはお世辞だお世辞! 本当はお前の方がきれいだって!」
「少し、お話しましょうか」
ほら、言わんこっちゃない。いつも酔うとこうだ。
「今の方は獣王さんの奥さん?」
「ああ、そうだ。獣王のやつは尻に敷かれてるからな」
「魔王殿、おめでとう」
次に来てくれたのは聖王と剣聖か。
「ああ、ありがとう」
「ありがとうございます」
「それにしても獣王殿はいつもあれですな」
「ははは、まあいつものことですから。聖王殿の奥様は最近調子はどうですか?」
「嫁ももう70を越えるというのにまだまだ元気ですよ」
「それは良かった。そうだ、剣聖殿は彼女とは最近どうですか?」
「へっ!? いえ、まあ、仲良くしてます」
剣聖は初々しいな。聖王の娘の聖女とは幼なじみだからな。
「ほっほっほっ、それではこれで」
「ああ、ありがとう」
次に来てくれたのはエルフの王であるエルフリーク王だった。
「めでたいな、魔王よ」
「エルフリーク王か」
「世界樹産の霊酒だ」
「おお、すまんな。これは旨いんだよな」
「それではな」
「ありがとな」
エルフリーク王は少し無口だがいいやつだからな。その息子は結構喋るが……
「魔王殿、ご結婚おめでとうございます」
「おお、マジク王に賢者殿か」
その次に来てくれたのはマジク王と賢者だった。
「そういえばマジク王はまた孫が生まれたとかそちらこそおめでとう」
「ふぉっふぉっふぉっ、子や孫は可愛いものですぞ」
「まだ俺には子もいないからよく分からんな」
「子を持てばすぐに分かりますとも。それでは」
「ありがとうな」
マジク王もそろそろ王位を譲りそうだな。
「魔王様、加奈さんご結婚おめでとうございます」
「宮崎さん、ありがとうございます。それにみんなも」
宮崎さんと斉王組と白百合組が声をかけてくれた。
宮崎さんは最近は城下町で商店を始めた。日本であったようなものを作り結構繁盛しているらしい。
白百合組は城にいるが最近は女性向けの服を作ったり化粧品を開発しているらしい。魔王国の有名なブランドと共同開発もしているらしい。
「北島くんたちも久しぶり。最近は獣王国に行ってるんだって?」
「はい、今は獣王国の王都を中心にしてダンジョンに潜ったりしています」
「そうか。頑張れよ」
「はい」
白百合組は……
「加奈サン、これをどうぞデス」
「それは?」
「それは、新しく作った香水です」
「わたくしたちが新しく立ち上げる予定のブランドで作っているんですの」
「へぇ、ありがとう」
いつの間にか加奈と仲良くなってたんだよな。いろいろと内緒にされてることもあるみたいだけど……
加奈視点
「加奈さん、おめでとうございます」
「あはは、ありがとう」
「また今度教えてくださいね」
「お願いしますわ」
「お願いデス」
3人ともカオスのことが気になってるみたいだけど女子校だったからか恋愛ごとは得意じゃないみたいね。
カオス視点
パーティーも終わり、寝室で加奈とふたりきりになった。
「ありがとな、加奈」
「え? 何が?」
「いやな、俺のことをずっと想っていてくれて」
「本当だったら忘れなきゃいけなかったんだろうけど忘れなかったからね。それにまた再会できたからね」
「これからもいろいろなことがあると思うが俺のそばにいてくれ」
「うん、ずっと一緒にいるよ」
俺はこれからも加奈を守って生きていく。
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