夕食会

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夕食会

「魔王様、そろそろ夕食会の準備が出来るそうです」 「そうか。もうそんな時間か」  だいぶ仕事も片付いたな。 「さて行くか」  もう地球人たちは来ているみたいだな。 「アッ、魔王様デス!」 「あら、本当ですわね」 「やあ、さっきぶりだね」 「魔王様、いろいろとありがとうございます」 「いや、いいさ」 「そういえば、富永さんとのお話って何だったんですか?」 「ん? あ~。加奈、いいか?」 「うん。いいよ、カオス」 「そうか。実はな……」 「そうだったんですか……」 「いい話だなぁ!」  遠藤くん、泣いてるのか。 「良かったですね、加奈さん」 「ええ、ありがとう」  女性陣も盛り上がってるな。 「さて、そろそろ準備が出来たみたいだから夕食会を始めるか」 「あっ、私が音頭をとりましょう」 「宮崎さん」 ああ、そういうことか。 「じゃあ、お願いします」 「魔王様と富永さんの仲をお祝いして、乾杯!」 「「「「「乾杯!」」」」」 「……それで魔王様。他にどんな魔法が使えるんですか?」  北島くんは魔法に興味があるのか。 「そうだな、いろいろ使えるぞ? 例えば、火を扱う魔法だったり、病気や怪我を直す魔法も使えるな。まあ使える魔法はたくさんあるから全部言うのは大変だな」 「あの、僕たちも使えるようになりますか?」 「そうだな、練習すればいろんな魔法を使えるようになるぞ。あっ、そういえばステータスを調べていなかったな」 「あっ、そういえばそうでしたね」 「よし、食事が終わったらステータスを調べようか」 「えっ! いいんですか!?」 「ああ、別にいいぞ」 「やったぁ!」  北島くん、相当喜んでるな。まあ他の子たちも喜んではいるみたいだが…… 「魔王様、俺は強くなりたいんだがどうすればいいんですか?」  遠藤くんは強くなりたいのか。グレンみたいにならないといいが…… 「明日からこの世界のことを勉強してもらうつもりだったからそれと合わせて訓練もいれておくよ。この世界で生きていくなら多少は戦えないと大変だからな」 「よしっ!」  それならば教官も選定しておかなければならないな。グレンはないな。 「やはりこの世界で生きていかないといけないのですね」 「宮崎さん……皆さんは元の世界に未練はありませんか?」  やはりこれは聞いておかないといけないからな。 「俺はこんな世界に憧れていたから。家族はいるけど……」 「家族ですか。召喚することは可能です」 「えっ!? そうなんですか! 妻がいるんです!」  宮崎さん、やはり結婚していたか。 「可能ですがこちらに来るかどうかはその人次第です」 「どういうことですか?」 「その召喚は召喚対象者に行くかどうかを聞くので……」 「なるほど」 「あの、その召喚は何を対価に召喚するんですか?」  その言葉に彼らはハッとして俺を見てくる。 「安心してください。その召喚では人の命は使わずに魔力だけで召喚することが出来ます。ただし、色々と制約もあります。まず、人の命を使わない代わりにとてつもない魔力を使います。皆さんが召喚したい人たちが何人いるのかは分かりませんが1年でおよそ100人くらいが限界ですね」 「そうですか」 「後で召喚したい人などをリストアップしてください」 「はい。ありがとうございます、魔王様」 「あとは……」  夕食会のあとはステータス鑑定のために道具を持ってこさせた。 「これでステータスが測定できる。さて誰からやるかい?」 「じゃあ、俺からいいですか?」 「北島くんからか。それじゃあ、その水晶に手を置いてくれ」 「分かりました」  北島くんから順番に測定していくか。 「あれ? これは俺たちには見えないんですか?」 「よっぽどのことがない限りステータスは人に見せるものじゃないからな」 「なるほど」 「さて、みんな終わったな。それじゃあ、今日はもう休んでくれ。疲れただろう?」
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