26人が本棚に入れています
本棚に追加
戦争準備
2週間経ち、とうとう降伏勧告の使者が帰ってきた。
「遅かったな。ふむ、アホだな。来るなら来いとは……」
「セバス、四天王はいるよな?」
「はい、お三方はいますがグレン様は帰ってきていません」
「そうだったな。呼んできてくれ」
「はい、かしこまりました」
ふぅ、やっぱりこうなったか。アホだとは思っていたがあれを見ても戦おうとは……
転移石を使った様子もないし、彼らも戦う気だろうな。加奈に聞いてはいたがアホだな。
数日前。
「ところで加奈、召喚された時に君に絡んでいた連中とはどんな関係だったんだ?」
「彼らのこと? 一応会社の同僚だったんだだけど……私もよく分からないけど何故か付きまとわれるようになって……」
「なんだ、ただの変態か」
「変態……まあ少し気持ち悪かったけど……」
「彼らがもし戦争に加担したら俺は処罰しないといけない」
「処罰?」
「ああ、戦争奴隷にして強制労働だろうな」
「奴隷……」
「奴隷といっても一部を除いて普通の奴隷たちはきちんと国で保護されているからな。人によっては奴隷から解放されることもある」
「マンガとかみたいに暴力をふるわれたりすることはないってこと?」
マンガでそういうのを見たのかな?
「ああ、むしろ暴力をふるったほうが処罰されることもある。あと性奴隷とかはない」
「性奴隷?」
「ん? ああ、性行為をさせるための奴隷だ」
「そういうのもあるんだ……」
やっぱりショックか。
「今はもうないさ。俺が生まれるよりも前になくなっている」
「そう……」
「あいつらが再び犯罪行為とかをしなければ悪いことは起こらんさ」
まぁ、あいつらは何かやらかしそうだけどな……
「魔王様、皆様が来られました」
「分かった。入れてくれ」
部屋に入ってきたのは魔女のミリアナとデュラハンの十兵衛にダークエルフの闇影だった。
「四天王、グレンを除き集合いたしましたわ」
「グレンには北の魔物を間引きに行かせたからな」
「それでゴルドピグ王国のことでですか?」
ミリアナが代表して話す。
「ああ、降伏はしないらしい」
「やはりそうなりましたか……」
「そこで我々も軍を派遣することになった」
任せる役割はいつも通りでいいだろう。
「まずは闇影」
「はっ!」
「諜報部隊と共にゴルドピグ王国の各地に潜入してくれ。そして我々連合軍が到達するのに合わせて行動してくれ」
「任せてください、主!」
「ミリアナは魔術師部隊を率いてくれ。十兵衛は歩兵部隊を。俺が飛行部隊を率いる」
「「分かりました」」
「各自、部隊の編成は任せる! 解散!」
「「「はっ!」」」
とりあえずこれでいいか。
グレンがいないから補佐は誰にするか……
「セバス、誰がいいと思う?」
「そうですね。今いる方々の中ですと……氷竜のアイナ殿が最適かと」
「彼女か。分かった、連絡をしてくれ」
「はい」
さて彼女が来るまでもう少し詰めておくか。
「魔王様、お呼びですか?」
「アイナか。入ってくれ」
「はっ、失礼します」
ほぅ、しばらく会っていなかったがアイナも実力が上がったみたいだな。
「アイナ、お前には今度の戦争で俺が率いる飛行部隊の副官をしてもらう」
「私ですか!?」
「ああ、そうだ。セバスにすすめられたが実際に見てもお前の実力が上がったことがすぐに分かった。今回は指揮する側の実戦をしてもらう」
「ですが、私はあまり多くの兵を率いたことは……」
初めてだから不安か。
「別に1人でやらせるわけではないさ。ハーピィのハーチェをもう1人の副官として連れていくつもりだ」
「……ハーチェ様がいるなら」
「では任せたぞ」
「はっ! 分かりました!」
このままいくと出発出来るのは早くて明日か。
最初のコメントを投稿しよう!