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だがそのうち
何度その身体を抱いても、
その度にどこか違うところに気持ちを持っていくカズに
苛立ちを感じ始めた。
便利な女に慣れきっていた俺には、なす術も、知恵もなかった。
この頃にはもう、カズに気持ちをごっそりと奪われてしまっていた。
その感性、その不思議な感覚すべてに。
カズにも、本気で「俺」を愛して欲しいと思っていた。
なのに。
どうしても、カズの心が掴めない。
その焦りのような憤りを、気付けばミキにぶつけていた。
一度はその関係を断ち切ったはずの俺は、自らまたそこに引き戻った。
ミキの気持ちなど、考える余裕は無い。
カズの心に入り込もうとがむしゃらで我を忘れていた。
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