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ついさっき、カズと一緒に中庭に出た時、そこからギャラリーの外へ出る通路があったことを思い出し、 初日にやってきたレイがいつの間にかいなくなっていたのはそこを通って帰ったんじゃないか、と思っていた。 「アイツ、何か言ってなかった?」 「え?」 「レイだよ。俺が気付かないうちに…黙って帰ったみたいだったからさ。」 「レイが?ここに来たの?」 カズは何も聞かされていないのか、驚いた顔を見せた。きっとここに来たことを知らされているとばかり思っていた俺は不思議に思った。 「あれ?…初日の午前中、仕事が急にキャンセルになって都合ついたからって… 空港から真っ直ぐ来たって言ってたけど。あの日、会ってないのか?」 カズは息を止め呆然としている。 レイはここに来たことを話していないのか。だとしたらなぜだろう。何か理由があったのだろうか。
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