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日が暮れてしばらくするとニーロがスアンと共にやって来た。 「なんかいい匂いがする!」 荷物を投げ出し小走りにキッチンのカズに駆け寄るスアン。 「でしょ。お腹空かせて来るんじゃないかと思ってブイヤベース作ったんだ。」 カズが鍋の蓋を開けスアンが中を覗き込む。 「わああ!本格的なヤツ!凄い美味しそう!」 「コウタもサラダ作ってくれたんだよ。あとお肉も焼こう。」 「すげえ!」 満面の笑顔にニーロがすかさず釘を刺す。 「食い過ぎて腹出すなよ。明日朝から撮影なの忘れんな。」 その言葉にスアンが首をすくめながら悲しい顔をして俺を見た。 「俺の作ったサラダだけ食っとけ。美味いぞ。肉は俺が食ってやる。」 「コウタさあん!」 更に眉を下げてスアンが俺に飛びついた。
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