prologue

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「飲みが足りなかった…寒い。」 そう言ってベッドの中で俺にしがみつく。 カズの手足は異常なほど冷たくて、思わず身が縮まった。 「飲み過ぎて寒いんじゃね?」 開けたワインはほとんどカズが飲んだと思うが、 まあ、いいことにしよう。 その驚くほど凍えた手を握り込み、仰向けに押さえつけキスした。 とたん、カズの身体が抵抗で強張る。 がっちりと上下の歯を噛み合わせ、俺の侵入を拒み寝返った。 「ちょっと!そんな気ないからね。寝るの。明日早いし。」 塞がれていた唇が自由になるなりそう吐き捨てる。 「なんだよ…自分から擦り寄ってきたくせに。」 「バカ、ホントに寒かっただけだよ。」 「……ったく…湯たんぽじゃねんだから。」 カズはポカンとした顔で俺の目を覗きこんだ。 「何?湯たんぽって…今時…」 クスクスと笑い出す。 そんな面白くは無いと思うが、 俺とはポイントが違うのでそこはあえてスルー。 まあ、強いて言えば 面白くないことを本気で面白がるカズを面白いとは思う。 なんだか回りくどいが。 「やったほうが暖まると思うけど。」 そう言って再度押さえ付け、半ば強引に進める。
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