prologue

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ミキには、カズとのことをきちんと話したつもりだ。 それはミキとのはっきりとしない関係を終わらせるためでもあったし、 何より、カズとミキの関係が壊れることを望まなかったからだ。 だが、俺の気持ちとは裏腹に、ミキはその思いを聞き入れてはくれなかった。 それどころか、カズには隠し通してでも、その関係を続けたい、という。 冗談じゃない、と撥ね付けた。 はずだった。 その時、一度は。 元来、マイペースな上に天然で、俗っぽい情報があまり気にならないカズは すべてにおいて疎い。 そのお陰か、ミキとのそれまでの関係は、カズにはこれっぽっちも気付かれないでいた。 もし知っていたとしたら、カズは俺と付き合うことを拒んだろう。 ミキが頑なに隠そうとしていたこともあっただだろうが、 そもそもカズの俺に対する興味も、 俺が想像している以上に希薄だったのかもしれない。
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