4/4
前へ
/10ページ
次へ
 俺は決めた。  左手に腐った飲み物が入ったペットボトルを、右手に温かいお茶が入ったペットボトルを持ち、やっと決めた。  この通りに溢れるゴミたちを片付ける。  今まで、誰がどうやって拾って綺麗にしてきたのか。役所か。ボランティアってやつか。そんなもんは知らねえ。それでも、通りには馬鹿にしたようにゴミが溢れてる。  俺みたいなもんだ。  生まれた時は、確かなものだったろう。それが、汚ねえゴミとして町に嫌悪を生んでいる。  それらを掃除しよう。  それが、俺にできること。  ゴミ拾いを始めてやろう。  何の決意だよ? って馬鹿にするかい? 頑張ってきたあんたらにはそう映るだろう。でもな、俺には信じられないほどの決意さ。  俺の50年を拾い集めてみようじゃねえか。  そこに何があるのかなんて、分からねえけどな。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加