第一月「凛、新生活のスタートじゃん!」

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第一月「凛、新生活のスタートじゃん!」

1週目 車内アナウンス:次は、東起坂[ひがしおきざか]、東起坂。 朋美:着くぞ。ほら!2人とも起きて。もう着くから。 語り:ここは愛知県の中心より少しずれたところにある起坂市、では主要駅の東起坂駅。実は凛の父、宏の実家がある小池町は超が着くほどの田舎で、駅はないわ、同級生も片手で数えられるわ。田んぼと山、コンビニが売りぐらいの町。交通も不便で、東起坂駅で名鉄バスの市民病院行きに乗り市民病院まで行き、そこで櫻方行きに乗り換え、小池町で降りる。そこから徒歩で3分ぐらい歩くと宏の実家に到着する。さて、話を進めよう。なぜ宏たちが帰ってきたのか?それは、宏の母、凛のおばあちゃんが亡くなってしまったと子供の頃からの友達、あきっちこと志賀昭から連絡が来たか……あっ、そんなこと話してたら話が進んでた。 朋美:本当にここはお年寄りが多い。ひろちゃんの家に昔、行った時とほとんど変わってないよね。 宏:そうだよなぁ。あっ! あきっち:ひろちゃーん、おかえりー。 宏:あきっちー、帰ってきたよー。 車内アナウンス:小池町、小池町。 あきっち:おかえり、ひろちゃん。 宏:ただいま。 朋美:お久しぶりです。 あきっち:お久しぶりです。あっ、この子が凛ちゃん?こんにちは。 凛:こんにちは。 宏:あきっち、どうするの?どこいくの? あきっち:歩くのめんどいだろうし車に乗って。全員乗った? 3人:うん。OK。 あきっち:じぁ、出発進行! 宏:?あきっち。こっちいくと、実家にいくと思うんだけど…。 あきっち:えっ?あっ、うっあっえーとっ…。 宏:正直にいって。嘘でしょ。 あきっち:………うん。ごめん。でも、帰ってきてくれないと今大変なんだよ。 宏:とりあえず着いたから、リビングで話さない? 凛:私、おじいちゃんのところ行ってくる。 朋美:いってらっしゃい。 宏の実家のリビング 宏:で、今、母さんはどこ? あきっち:えっとー、前の藤木さんとこの日奥さんと喋って…… 宏:本当のこと話して! あきっち:去年から老人ホームに通ってるというかそこで暮らしてるっていうか… 朋美:待って、そのお金はどこから出てるの? あきっち:一応、貯金とひろちゃんの父さんが残した遺産、それと年金。 宏:それって大丈夫なのかよ。残りとか…。 あきっち:……正直もう残ってない。しかも、一昨年、乳がんになったの覚えてる? 宏:あー。 あきっち:それが、再発したらしくて、しかも、末期だったらしくて、もう余命があと1ヶ月ぐらいなんだって。 宏:はぁ?そんなの聞いてないよ。 あきっち:だから、最後は、看取って欲しいって一子さんがいってたから… 朋美:それで呼んだと。 あきっち:そう。 朋美:いいんじゃない。ここに居ても。凛の中学校もちょうど春休みだし。こっちの中学の方が楽しいでしょ。 宏:…わかった。 語り:しかし、宏の母、一子は1ヶ月も持たずに亡くなってしまいました。そして新学期を迎え、凛は地元の小河[おがわ]中学校に転校することになりました。
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