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気を取り直して会話しよ、うん。死後とはいえ、有名な作家と話せる機会なんてそうそうないし、ね!
「ていうかさー、なんで幽霊になったんの?南野さん、もしかして未練タラタラ系作家?」
あたしがふざけながら言うと、南野さんは
「未練タラタラ系作家っていうのはよく分からないけど。まあ、未練があるから幽霊になったんだろうね」
と落ち着いた感じで返してきた。
うーん、あたしが普段話す人(あ、友達ね?)は皆こんなテンションだから、落ち着いた人と話すと調子狂うなあ…
それはともかく。
「ねー、未練ってなんなの?あたしで出来ることだったら叶えてあげるよ」
だって、あたしまだ生きてるし。暇だし。それになんか、幽霊のお願いを叶えるとか、漫画みたいで面白くない?
あたしがそう思いながら提案すると。
南野さんは目を輝かせて、こう言ったのだ。
「ありがとう、ならお願いするよ。僕の未練は、書きかけの小説」
ん、待てよ。やな予感がする……
「だから、僕の代わりにあの小説を完成させて欲しいんだ!」
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