殺し屋

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「まあ、目的が達成できればなんでもいい。偽物だろうと実力がありゃ文句は言いやしねぇさ。実力がありゃあな。」 組長は不敵な笑みを浮かべながらメメに向かって言った。 「お話が終わったようなので確認に移させていただきます。」  常人であれば吐き気を催すほどひりついた空間でメメは眉ひとつ動かすことなく続けた。 「まずターゲットですが花頭組の組長、花頭 備荒(はながしら びこう)で間違えないですね。」  メメは共に来ていたパートナーであり、妹のような存在であるミミから写真を受け取り組長へと見せた。 「ああ、間違えねぇ。こいつだ」  さっきまでとは違い最低限の受け答えのみですます組長。 「わかりました。次にシステムの確認です。 私たちは殺す相手に交渉を持ちかけます。  その際に今回の契約内容を全て明かし、より価値のある物の提供を促します。その内容によっては依頼主であるあなたへとターゲットを変更します。そうなった場合は元の依頼主様へは交渉には参りません。入金確認後1か月位内にあなたを殺すことになります。  私たちへの依頼料は依頼主であるあなたがあなた自身の命のに払える値段、そう思っていただければわかりやすいかと思います。」  長めの説明をスラスラと告げるメメはさながらアンドロイドのようだった。 「300万」  組長は短く、金額をのみを言う 「300万円でよろしいですね。そのうちの50%は先払いとなりますがよろしいですか?」  メメも変わらず短く返す 「ああ、構わねえ。だがよぉ、高ぇ金を払う以上アンタらの実力を確かめさせてもらいテぇんだ。なぁ、それくらい構わねぇだろう。」  組長がそう言って柄シャツに指示を出すと奥の部屋から屈強な男が現れた。 「こいつぁ俺の知り合いで、許可証は持ってねぇが腕の立つ殺し屋でなぁ。あんたらの殺人、依頼しちまっタァ。すまねぇな。試験だと思って相手してくれや。」  組長が話し終わると同時に屈強な男はソファに座るメメに向かって巨大な拳を打ち出してきた。  
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