安楽死業者、始めました

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世の中はままならない。 こうもままならないと、この世を自らの足で去ろうとする人も珍しくない。 そこで私は、安楽死業者という物を始めた。 今まで苦労してきた人間が、わざわざ死ぬ時まで苦労する必要は無いと考えて始めたこの仕事だが、予想以上に志願者が来る。 今日来た客は女子大学生で、彼氏の浮気や友達の裏切りに心を病み、自殺を決めたらしい。 身の上を聞いた私は、彼女がとても不憫に思い、安楽死にかかる料金を全額その彼氏につけてやろうと彼女に言った。 彼女は笑顔で死んでいった。 私は1人の命を救ったのだ。 またある日、志願者がやってきた。 今度はうら若き青年で、膨大な借金に悩まされているらしい。 全く、世の中はままならない。
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