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「緋真、お前もそろそろ結婚相手を考える歳だろう」
「私まだ24だよ!?」
「すぐに結婚とは言わん。相川くんも独身の様だし…どうかな?1度食事だけでも行ってみては」
「もう!勝手なこと…!」
「ご本人さえ宜しければ、ですが」
顔を真っ赤にして押し黙る緋真は驚きの表情で相川を見やる。
相川はこれまでないほど必死に考えた。院長の孫ともなればこちらからすっぱりお断りするのは、立場上出来ないと判断した相川は、そう無難に答えることしか出来なかったのだ。
「…相川先生、お食事だけ御一緒して頂けませんか?」
「っ!?…………はい。」
断られるつもりでいたのにも関わらず緋真はなんと食事を希望してきたのだ。
相川は緋真がそう来るとは思わず、ほんの少し狼狽える。
「早速ですが…5日後、日曜の夜、いかがですか?」
「えっ…日曜日…?…構いませんよ」
予定など特に入れてはいなかったものの、院長の手前断りきれずに承諾することにした。
「おお、ありがとう相川先生。是非いい方向に考えてください。」
「ははっ…はい…」
相川は引きつった笑顔を浮かべながら内心では
(これって…所謂浮気になるんじゃねぇのか…?)
そう考えて心ここに在らずだった。
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