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温かい羊水がゆらゆらと揺れて、私は目を開きました。
真っ暗で、何も見えません。音も聞こえません。客観的に見ればとても恐ろしい空間ですが、何故かとても心地よい空間です。それはきっと、私がこの空間に慣れたからだと推察しました。
目が覚めた、ということは。
私は瞬時に、やるべきことを思い出し、手足をばたばたと動かし始めます。手足が何か柔らかい壁にぶつかっても、それを辞めません。
そうです。いよいよです。
私は、あと5分でこの女性の体から生まれます。
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