ハッピーバースデイトゥミー

1/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
温かい羊水がゆらゆらと揺れて、私は目を開きました。 真っ暗で、何も見えません。音も聞こえません。客観的に見ればとても恐ろしい空間ですが、何故かとても心地よい空間です。それはきっと、私がこの空間に慣れたからだと推察しました。 目が覚めた、ということは。 私は瞬時に、やるべきことを思い出し、手足をばたばたと動かし始めます。手足が何か柔らかい壁にぶつかっても、それを辞めません。 そうです。いよいよです。 私は、あと5分でこの女性の体から生まれます。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!