プロローグ

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プロローグ

 キーンコーンカーンコーン。  チャイムの音が、この高校への切符を勝ち取ることができたのだということを現実にさせた。  夢にまで見ていたここでの生活。優秀なクラスメイトと切磋琢磨して自分を磨きながら、互いに学び合うことのできる素晴らしい生活が始まるのだろうと思っていた。  それは一枚の紙によって見事に砕け散った。  デカデカと大きな赤い文字で描かれていたのは「古典32点」。  見事に赤点をとってしまった。  中学校では75点以下をとったことがない僕が一年生始めの定期考査で赤点。  そこで僕は全てを悟った。 ———僕はこの学校では底辺なのだと。
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