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(とにかくどこかで雨宿りをして、現在地を確認してみなきゃ!)
このままでは、あっという間に悲惨な濡れ鼠になる。
と、そんなことを考えた矢先に、みのりは突き当りの曲がり角に深緑色のオーニングテントが出ているのを見つけた。
もう、あそこしかない!
まさに天のお恵み。
段々と強くなりだした雨脚に急かされるように、みのりは無我夢中でテントに向かって駆け出した。
「ひぃ……っ、ふぅ……っ! キツぅぅ……!」
二十四歳、独身、無趣味。いつの間にか全力疾走が辛い身体になっていたことを思い知らされて、切ないです。
それでもどうにか無事にテントの下に逃げ込んだみのりは、肩で息をしながら、頬に張り付いた髪を指ですくって耳にかけた。
「と、とりあえず、助かった」
つぶやいてから、ゆっくりと顔を上げる。
偶然見つけた雨宿り先は何かのお店なのか、商店街などでよく目にする古びたシャッターが閉まっていた。
シャッターには貼り紙がされており、武骨な文字で【不定期営業です。フジミ青果】と書かれている
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