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(ど、どうしよう。って、こうなったら、なにか野菜か果物を買っていくしかないよね?)
雨宿りをさせてもらったお礼と思えば仕方がない。
と、そんなことを考えながらお店の敷居をまたぎ、改めて中を見渡したみのりは、思わず目を瞬かせた。
「え……っ。なにこれ、すごい。綺麗……!」
続いて、感嘆の声が口からあふれる。
イケメンが去ったあと、みのりの目に飛び込んできたのは、まるで宝石のように輝く彩り鮮やかな世界だったのだ。
目が覚めるような赤に始まり、黄色、オレンジ、緑、紫……それにベージュまで。
その上、店内はお菓子のような、それでいてフルーティーな爽やかで甘い香りに包まれている。
(でも……あれ? ちょっと待って)
けれど、ふと冷静になったみのりは、あることを思い出して動きを止めた。
そうだ、確かシャッターに貼られていた紙には、【フジミ青果】と書かれていたはずだ。
それなのに店内には、肝心の野菜も果物も見当たらない。
「っていうか、これって……ジャム?」
代わりに並んでいたのは、大中小、様々なサイズ・形をした色とりどりの瓶だった。
瓶はオシャレな無垢板のウォールシェルフに並べられているものや、八百屋らしいシンプルな木箱に並べられているものまで色々ある。
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