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「もー!本当にやめて!」
リリの声が聞こえてハッとした。
…寝てた。
「リリ?いい加減僕かコウタ…現実を受け入れなよ」
タクマはリリの逃げ道を塞いでじりじりとにじり寄る。
「現実って何!私はあの人が好きなの!」
「あれは人間だろ?」
余裕の笑みを浮かべるタクマ。
「それでも!」
「あいつとの恋愛は叶わないよ」
「そんなのわかんな…」
「わかるだろ」
タクマはリリの言葉を遮ってじっとリリを見る。
「わかんないよ!!」
リリが叫ぶと
ーーーバシャッ!!……ガシャン。
え?何…??
ガッと世界が揺れる。
目の前に見知らぬ女…?
ふわふわとした白いワンピース。長さの違うフリルは少し赤くなっていてまるで…
「コウタ!リリは!?」
タクマの叫び声を聞いて俺も辺りを見回す。
「…私、ここ」
目の前に居た女は俺とタクマを見てから自分の姿を確認して…くるっと回った。
…嘘だろ?
目の前で笑う人間が…リリ?
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