初めての依頼

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初めての依頼

ある日、昼より夜のほうが活発な繁華街に一つの店が出来上がった。 その名も「繁華街運送会社」 「うーん。見れば見るほど子供っぽい名前だなー。」 それもそうだ。この男、この会社の社長? 晴馬は小学生より子供っぽい友人から会社の名前をもらったからだ。 「まぁ、百聞は一見に如かずだ」どこか違うことわざを 使いながら晴馬は仕事を始めるべく自分の立ち上げた会社へ入っていった。 殺風景な部屋に入った晴馬はまず中央にある 一回り大きい椅子にふんぞり返った。 すると、早速ドアからノックが聞こえてきた。「ドン ドン」 「はーいどうぞー」すると中から入ってきたのは この街の象徴ともいえる数人の部下を引き連れた 漫画に出てきそうな図体のでかい男だった。 男はこう言った。「ここが運び屋だな。」 いきなりこんな奴が出てくるなんて思いもよらなかった 俺は緊張のあまり硬直し、 何も言わずにうなずくしかなかった。 するといきなり男は持っているスーツケースを僕に渡した。 見てみると札束がぎっしり詰まっていた。 俺が驚いた後に男は部下たちを引上げさせ話し始めた。 「俺はこの辺の総長なんだが、ちゃんとした家族を持っていてね、 そこで一つ頼みがあるんだ」その時、俺は(え、まさか銃とかを 持っていくんじゃないでしょうね??)と思ったのもつかの間、 この男はにやけ面になりながら思いもよらなかった言葉を発した。 「うちの姪が今度誕生日なんだよ。そのプレゼントをこの住所まで 運んでくれないかね。」 「へ?」あまりにも想定していなかったので ついふにゃけた返事をしてしまった。だが男は気にもしないで 「いや何、姪には俺がやくざだっていうことを秘密にしていてね。 だからあまり会うことも少ないからせめて誕生日は、と思ってプレゼントを 運ぼうと思って用意したわけよ。」そういうことか、と思って俺はすぐに その依頼を承諾した。
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