10人が本棚に入れています
本棚に追加
序章 オーダーの始まり
ここは日本。季節は冬。舞台は東京の外れにある廃工場。
その中で、生活をともにしている、一組の男女がいる。
一人の若い女が、玄関を抜けた先にあるリビングの一角のキッチンで、なにやら飲み物の準備をしている。
鼻歌を歌いながら、ご機嫌で準備を進める若い女の名は、美乃華。右腰にホルスターに収められた年季の入ったリヴォルバーを吊っている。職業は殺し屋だ。
十八歳で身長は一五〇センチほどと小柄。ごく普通の顔立ちをしていて、瞳は黒。目は濃い茶系。低い鼻と、少し厚めの唇。茶髪のショートボブ。着ているのは白のフリルが満ちたワンピース。袖は肘のあたりまでで、丈は膝上のあたりまで。赤いヒールを履いている。
二人分の飲み物を用意すると、リビングのテーブルの上へ持っていく。
二つのカップを隣同士に並べる。
リビングには窓があるが、今はきっちりとカーテンが引かれている。
リビングから続く二つのドアがある。右側は美乃華の自室となっている。
最初のコメントを投稿しよう!