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「ほら、店の横にガレージがあるだろ?そこに毎年ツバメが巣を作りよる。客商売をしている人間なら誰でも知ってるがツバメは客を呼び込む縁起物でな、俺もそれに習って巣の下に傘なんぞ引っ掛けて糞や雛が落ちないようにしていたんだが…」
そんな居心地の悪さを知ってかしらずか、冷茶を飲む老人はさらに話を進める。
…五月の頃。
老人がいつものようにツバメの様子を見に行くと、そこで妙なものを見つけた。
傘の中で蠢く、ピンク色の塊。
「俺は、とっさに巣から雛が落ちたと思って駆け寄ったさ。だが、それは毎年見ている雛とずいぶん様子が違っててな…」
そうして、老人は一拍おくとこう言った。
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