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「俺は、地元の人間だから知ってるがね。国鉄と呼ばれていた時代にここでデカイ事故があったんだよ。電車とバスのデカイ衝突事故がな…」
…それは、今から40年以上も前のこと。
この近くに、山をくり貫いたトンネルがあり定期の貨物列車が通っていた。
山の上には小学校もあり、付近には木材の加工工場もあったため地元のバス会社が頂上まで小学生や工員を乗せて走っていたという。
当時、積載量の基準が明確でなかった時代。
荷物や人を満載に乗せたバスが急な斜面を登っていくのが当たり前だった。
「その日、小学校で映画が上映されることになっていてな。家族連れや夜勤の工員が大量の荷物とともに坂道を運ばれていったんだ。」
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