第三日:「ツバメ」

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「以来毎月電話をかけてな、そっちに変わりはないかとこまめに連絡をするようになった…8月、俺の息子はどうなったと思う?」 問いかける老人。 私は答えに窮しつつも「大丈夫じゃないですか?」と言ってみた。 すると、老人は膝を叩いて笑って見せた。 「そう、そうなのよ。件の8月になっても、息子のやつはピンピンしてる。しかも昨日が8月の終わりだったろう?俺は嬉しくって嬉しくて、あんたみたいな旅の人を呼んで、厄落としにこの話をしようと思ったわけなんだよ。」 ケラケラと笑う老人に私はほっと胸をなでおろし、ふと廊下を見る。
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