第三日:「ツバメ」

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…そこに、凄まじい顔をした奥さんの姿があった。 何か聞いてはいけないものを聞いてしまったのかのような顔。 まずいものを見てしまった時のような顔。 しかし、老人はその様子に気づかないのか時計を見やり、声をかける。 「おい、この人に菓子をもたせてやってくれ。店の処分品じゃなくて良いものを持たせてやってくれよ。あと、ついでにバス停まで送ってやってくれ。」 「はい」と青い顔のままで頭を下げる奥さん。 …そして、私は老人の店をあとにすることとなった。
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