第三日:「ツバメ」

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「あら、すみません。少し暑さでぼーっとしていたようで。」 そうして、袋を私に押し付けるようにして距離を置く。 「…主人の話、本当に信じないでくださいね。」 念を押すような彼女の言葉。 そうして私の乗り込んだバスはゆるりと発車し…その時、気づく。 バス停の数メートル先。 一軒の家の前に忌中札が立っていることに。 そこに書かれている男性の享年がちょうど39。 通夜が今日であるということは男性は8月に亡くなったということであり…
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