29人が本棚に入れています
本棚に追加
「あら、すみません。少し暑さでぼーっとしていたようで。」
そうして、袋を私に押し付けるようにして距離を置く。
「…主人の話、本当に信じないでくださいね。」
念を押すような彼女の言葉。
そうして私の乗り込んだバスはゆるりと発車し…その時、気づく。
バス停の数メートル先。
一軒の家の前に忌中札が立っていることに。
そこに書かれている男性の享年がちょうど39。
通夜が今日であるということは男性は8月に亡くなったということであり…
最初のコメントを投稿しよう!