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第二日:「鍵屋への電話」
鍵屋の店舗で電話が鳴り続ける。
店主はディスプレイの番号を一瞥し、しばらくすると開かなくなった私のトランクの鍵穴をいじるのを止め、電話を切ってしまった。
「…お客さん、気分を悪くしないでね。何ぶん数年前からこの日になると同じ番号が周囲の鍵屋にかかってくるもんで。いたずら電話とも言えないんだけどちょっと理由が理由でね。」
歯切れの悪い店主はこちらを見ると作業を続けながらこう言い訳した。
「まあ、お客さんも時間があるようなら、直しているあいだの時間つぶしがてら、話を聞いてくれたら嬉しいんだが…」
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