第二日:「鍵屋への電話」

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本人のミスとはいえ、遊んでいるうちに中から戸が開けられなくなってしまったとしたらことである。 電話をかけてきた以上、店主は放っとくわけにもいかず、支度もそこそこに工具箱を持ち現場の工場に向かうことにしたそうだ。 …着いてみれば工場は数年ほど放置されていたせいか随分と草が生い茂り、ひどく荒れ果てていた。 ましてや今は夏の盛り。 車を止めるのもやっとのほどの青草をかき分けて店主が車から降りると、錆びついたトタン屋根の粗末な小屋がポツンと一つ立っているのが見えた。
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