月曜日 08:26

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月曜日 08:26

「おはよ」 「おはよー」 隣の席の黄色のパルスを揺らす女の子に挨拶をして自席に着く。彼女は三角波。 辺りを見回せばいつも通りに、正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波の波形。僕のパルスは分類するならば正弦波。 色は感情によって変わる。例えばあの窓際のカップル。全く同じ形のパルスで色はどちらも淡い桃色。ピタリと重なるその波形が彼らが運命の相手だという事を証明している。高校で運命の相手に出逢えるなんて、凄い確率だなと漠然と思った。 隣の彼女を見た。やっぱり彼女のパルスはいつも通りに尖っていた。 それを見た僕の胸は、何故だか少し、チクリと痛んだ。まるで彼女の三角波に刺された様に。
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