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運動会があった次の週の土曜日、家族で島の川で行われる蛍祭りに行った。 山のふもとには饅頭やらかき氷やらを売る出店が所狭しと並んでいて、浴衣を着た人や鬼ごっこをして遊ぶ同年代の子ども達で溢れていた。 釣られて僕もラムネを1本買ってもらった。 母さんと父さんに連れられて山を登る。 暗い山道には、穴を開けた竹の中に蝋燭を入れた小さなランタンが等間隔に並んで、足元に淡いオレンジ色の光を放っていた。 奥に進むに連れ、だんだんと水の流れる音が大きくなっていく。 車一台がやっとのことで通れるような細い道は、水の流れが緩やかな川辺に続いていた。
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