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浴室から出て部屋着に着替えると、由良さんが無言で髪を乾かしてくれる。 何も言わないけれど、撫でるように優しく、酷く丁寧に。 これが前戯のようなもの。 今日はどんなプレイをするのだろうか。そんな期待に胸を躍らせながら彼の心地よい手に身を委ねる時間。 しばらくして、温風が止まった。 俺の髪から由良さんの手が離れ、照明が二段階落とされる。 「幹斗、始めようか。」 青がかった黒い瞳が冷ややかなglareを放って、いつもよりワントーン低い声で名を呼ばれたらプレイ開始の合図。 優しさを纏わない凛とした空気がSub性を刺激して。 この人に従いたい、認められたいという思いが普段の何倍も強くなる。
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