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唇、首筋、胸、腹部、内腿…
シャツのボタンをはずしながら、上から順番に口付けを落とされた。
それらは全て由良さんの手で感じるようにしこまれた場所で、少しずつ内に溜まっていく熱を逃そうと、俺は小さく喘ぎを漏らす。
ひたすらそうして熱に耐えていたら、いつのまにか下を露出されていた。
「痛かったらすぐに言ってね。」
ゆっくりと由良さんの長い人差し指が入り口から挿入される。
「…んっ…それっ、しなくても… 」
昨日も一昨日も繋げた場所だ。いい加減解す必要はない。
けれど由良さんは首を横に振って、愛おしげに目を細めながらその行為を続ける。
優しい指は、ただ俺の快楽を誘うだけ。
「だめ。大切にしたいから。」
綿菓子のように甘いglareを放ちながら、ゆるく笑んだ唇に優しい声音でささやかれ、全身が熱を帯びた。
…いや、熱いのはもうずっと前からか…。
由良さんの指が俺の中の感じる部分を何度も何度も擦るから、中だけで二度も達してしまった。
息を切らせ肩を上下しながら由良さんの瞳をじっと覗く。
彼の瞳も熱を孕んでいて、そのことにどこかほっとした。
「…あ。」
ふと、ヘッドボードの上を探していた由良さんが何かに気づいたように小さく声を上げる。
「…?」
「ごめん、切らせてた。買い置きをとってくるから待っていて。」
とん、と頭に大きな手のひらが置かれ、くしゃりと髪を撫でられた。
取りに行く、と言うことはその間この熱を抱えたまま一人でいろと言うことだろうか。
「…嫌…。」
離れたくないと思ったのを、とっさに口に出してしまった。
「えっ…?」
由良さんが戸惑いの表情を浮かべる。
…それはそうだ。ゴムをとってくる間さえ待てないだなんてどうかしている。
…でも…
「…離れるの、嫌。…だから、…そのまま、してください…。」
すがるように言うと、由良さんが長いため息を漏らした。
…言っちゃいけないことだった…?
少し考えて叫びたい気持ちになった。言っちゃいけないどころの話じゃない。なんてはしたない…。
「あ、の、…すみません忘れてください…。待ってるか…んんっ…!」
言い終わるまでに噛みつくように唇を奪われ、そのままベッドに押し倒された。
視界に映る由良さんの表情にはどこか余裕がなく、視線はひどく熱情的でこのまま見つめられていたら穴が空いてしまいそうだと思う。
「そんな風に僕を煽って。…加減できなくなるでしょう…?」
…?煽るなんて、そんなことしてないけれど…。
「加減、…しないで、気持ち良くなって、ください。」
我慢して欲しくない。由良さんが気持ちいいのなら、俺もそれが幸せだから。
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