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少し前まで沢山いる教師の一人でしかなかった。 どうしてだろう……自分でもよく分からないのに 例の記憶が飛んで以来、三塚先生の動向を気にする私がいる。 興味本位。 要はソレ。 それでも、こんなに人に興味持ったのが 初めてには変わりなくて。 つい目で追ってしまう。 授業中の真面目な顔。 生徒に囲まれてる時の穏やかな顔。 そして――――― 火の無いところに煙は立たないと言う通り こうやって三塚先生の行動を観察する度、 事あるごとに他の教師以外の生徒からも 頻回に告白を受けている現場に出くわす程、 先生の人気は物凄かった。 “人気が高くモテまくり” 噂は本当だった。 先生は一方的に告られるだけで 相手に声を掛けたりする事はおろか 自分から誘うなんてこと私が知る限り一度も無い。 だから、それまで見えてなかった三塚先生の 色々な部分を知るようになった。 何度か告白場面に遭遇するうちに分かった もう一つの先生の顔。 それは同時にあの日の出来事が現実だったと 知ることになった。
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