241人が本棚に入れています
本棚に追加
私を見るなりチッと舌打ちをされるのももう慣れた。
受験勉強の為にという大義名分を行使する為にも
一応問題集をしながら分からないことを担当の先生に聞く
というスタンスを取っている。
ただ、教えてもらうのは昼休み限定。
「私、理系の大学に進みたいから
空いた時間に勉強を見てもらいたくって」
「で、本音は?」
「先生、見てないとロクなことしてないから
此処で見張ることにした」
「帰れ」
相変わらず放課後は色んな意味で
イロイロ忙しそうな先生を野放しにしてるんだから
少しくらい大目に見てよ。
そう言葉にすると案の定、
「お前に関係ないだろ」
そんなの言われなくても分かってるから。
「……生徒として教師の品行は重要です」
苦しい詭弁を先生は鼻であしらう。
大人の先生が何をしようと本当は自由で
私なんかが立ち入る権利なんかないことくらい
ちゃんと自覚している。
昼休みだって私が侵害して良い理由なんて
何一つないことくらい……分かってるから。
最初のコメントを投稿しよう!