お知らせです。※追記アリ

18/22
前へ
/326ページ
次へ
「それは……」 先生が申し訳なさそうに言い返そうとすると、 「……前に言ったこと覚えていますか? 私達は貴方二人の親なんですから……ね?醒さん。 忘れないで、醒さんはもううちの家族の一人で 私達夫婦の大事な息子なんだってこと」 「!!」 (あ……) 私もこの時、漸く気が付いた。 ”貴方はもう家族なんですから お客さん扱いはしませんよ。 安心して私達はいつも貴方の味方です。 決して害をなす存在ではありません。 どうぞ、ご飯も食べて下さい、 ”毒”など入っていませんから。 貴方がいつか口にしてくれるのを 私達は何時までも待っています” あの夕飯が用意されていた その意味を。 「………………お義……母さん……、 ありがとう……ざい、ます」 先生は深々と頭を下げたまま、 とても長い間、 顔を上げることはなかった。 お母さんが嬉しそうに笑った途端、 もう私は涙が止まらなくて…… 元々涙腺の弱いお父さんなんて、私の隣で 盛大に何度何度個も鼻をかんでいた。
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!

239人が本棚に入れています
本棚に追加