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「それは……」
先生が申し訳なさそうに言い返そうとすると、
「……前に言ったこと覚えていますか?
私達は貴方二人の親なんですから……ね?醒さん。
忘れないで、醒さんはもううちの家族の一人で
私達夫婦の大事な息子なんだってこと」
「!!」
(あ……)
私もこの時、漸く気が付いた。
”貴方はもう家族なんですから
お客さん扱いはしませんよ。
安心して私達はいつも貴方の味方です。
決して害をなす存在ではありません。
どうぞ、ご飯も食べて下さい、
”毒”など入っていませんから。
貴方がいつか口にしてくれるのを
私達は何時までも待っています”
あの夕飯が用意されていた
その意味を。
「………………お義……母さん……、
ありがとう……ざい、ます」
先生は深々と頭を下げたまま、
とても長い間、
顔を上げることはなかった。
お母さんが嬉しそうに笑った途端、
もう私は涙が止まらなくて……
元々涙腺の弱いお父さんなんて、私の隣で
盛大に何度何度個も鼻をかんでいた。
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