始まり(海羽&透羽)

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始まり(海羽&透羽)

「席を開けすぎているので会場に戻りますね」 「嫌だ。またどこかにいかれたら困る。」 「もう行きませんから」 「嫌だ」 見た目と全然違う。子供みたいだな・・・。 「じゃあ。ここに戻ってくるので、待っててもらいますか? でも、かたづけとかもあるので時間かかっちゃいますけど」 「俺もパーティー会場に戻らないといけないから一緒にもどろう。」 「えっ!離れててくださいね。副社長と一緒にいたら怪しいです」 「俺の事を知っている奴は幹部社員以外はいないから大丈夫」 と一緒に副社長室をでて会場に戻った時、 「透羽?その方は」 と社長に声をかけられた。 「俺の女だ。」 「君はうちの社員だよね」 「そうです。5年になります。」 「そうか、君が透羽が探していた人だったんだ。以外に近くに いたんだな。よかったな。透羽」 「まあな。公私混同バンバンさせてもらうぞ」 は??本当にこの人は・・・。 「そんなことしなくて大丈夫ですから」 とそこに社長の婚約者の方がやってきた。 「なーに?」 「透羽が探してた子だって。ここの社員だったんだ」 「えー。透羽よかったじゃない。私は奈菜です。よろしくね!  颯真と透羽とは大学から一緒なの」 「真野 海羽です。」 「海羽ちゃんね。透羽の周りには変な女が多いから何か困ったことが あったら遠慮なくいって!」 「変な女って・・・今はいない」 「変な女はねえ突然に表れるの。あんたは何にも考えずいろいろやってる けど、女は怖いのよ。ねえ海羽ちゃんて呼んでもいいかな?」 「はい。」 「連絡先交換してもいい?」 「はい。ぜひ。」 と颯真社長の奥様になる奈菜さんと連絡先を交換した。 それをみた透羽さんの機嫌が悪い。 「なによ透羽」 「俺、まだ連絡先知らない」 「そんなことで機嫌悪くしないでよー。子供じゃないんだから」 「・・・悪いか。やっと会えたんだ。もう手放したくない」 そんなこと、社長の前で言わないでーー。 「はいはい。じゃあ俺たちは先に帰るから。真野さん透羽をよろしく 頼んだよ。」 「え?あっ、はい」 とお2人は会場を後にした。 その後パーティーが終了し、私は会場の片づけがありそこに透羽さんが いるのはやはり変なので、副社長室で待ってもらうことにした。 1時間程してやっと終了。お開きに。 「真野さん、打ち上げどう?」 と先輩たちに誘われたが、 「すみません。今日は帰ります」 とお断りをしてみんなを送り出した。 かなり待たせてしまった。大丈夫かな?不安になりつつ副社長室の部屋をノックしたが・・・返事がない。もしかして帰っちゃったかなと思ったが 静かに部屋を開けてみた。 すると、ソファに横になって透羽さんが寝ていた。 そっと近づいてみる。整った鼻筋、長いまつげ、きれいな唇、やはり ステキな人。私でいいのかな・・・と考えていると 「ん・・・みう??終わったのか?」 とうっすら透羽さんが目を開けた。 「遅くなってごめんなさい。終わりました。」 「よかった。戻ってきてくれた。」 「約束しましたから」 「2回破られたけど・・・」 「それは・・・自分に自信がなかったからで・・・透羽さんが嫌とか ではなくて・・・」 とまたうつむいてしまう。 「悪い。意地悪すぎたな。もう俺から離れないでいてくれればいい」 「はい。」 「俺にも連絡先を教えろ!」 「はい。」 と連絡先を交換した。 「じゃあ、俺の家にいこう!」 「え?私、自分の家に帰りますよ」 「なんで。」 「なんでって、明日も仕事だし、もう遅いですし」 「待ってた俺の立場は?」 「すみません。でも仕事なので・・・」 「俺の家から一緒にいけばいい」 「着替えも何もないです。」 「取りに行ってから、家に来ればいい。今日は何もしないから安心しろ!」 「どうして会ってすぐ、そういうことになるんですか?」 「可愛すぎて、我慢ができなかったから。」 「////////」 「とにかく、行こう!」 と会社を後にした。 あの、赤い車に乗って私の家に向かう。 「ここです。ちょっと待っててください」 「明日は金曜日だからそのまま週末は家で過ごせよ。 3日分くらいの荷物は準備してこいよ」 「え!私に週末予定があるとか思わないんですか?」 「あっても断らせる」 「自分勝手ですよ。」 「予定があるのか?」 「・・・・ないです」 「じゃあ決まりだ。早くとって来い。」 私はせかされて、バックに荷物を詰め込んで車に戻った。 「さて、じゃあ行くぞ」 とまた車を走らせる。あっという間にあのマンションに着く。 相変わらず大きなマンションだ。 最上階の部屋について、 「おじゃましまーす」 と靴をそろえて部屋に入る。 「広いお部屋ですね。」 「一応、起業していろいろやっているからな。まあ座れよ。 何か飲むか?」 「じゃあ。お水をください」 「水?分かった」 とキッチンへ向かう。その背中をみながら思う。 時間を気にせず、透羽さんといらることに幸せを感じる。 「水飲んだら、シャワー浴びてくればいい。疲れただろ?」 「ありがとうございます。透羽さん先に行ってきてください」 「嫌だ。海羽が帰るかもしれない」 「帰りません。そろそろ信じでください」 「じゃあ。一緒に風呂に入るか?」 「入りません!恥ずかしいです」 「裸を見あった仲だろ。今更恥ずかしいとかないだろ」 「あの時は、暗かったから・・・・」 「暗かったらいいんだな。じゃあ風呂を暗くすればいいな」 と有無を言わさずに、お風呂のライトを調節してきた。 「先に入るか?」 まって、透羽さんが先に入ったら私の裸をみられちゃうよね・・・。 「あっ私が気に入ります。洗ったら呼びますね。それまで絶対に 入ってこないでくださいね!」 「それは約束できない」 「///////」 本当に俺様な人だなあ。と思いながら先にお風呂に入る。 体と、髪を洗って、メイクを落とす・・・メイクを・・・ 大丈夫かな・・・。 「透羽さーんいいですよ」 と叫んで急いで湯船につかる。しばらくして透羽さんがやってくる。 「なんだよ。もう入ってんのかよ」 とシャワーを浴びる。その間に湯船から脱出しようとしたら 「俺も入る」 と私を押し戻すように湯船に入ってきた。 「私、先に出ます」 「だーめーだ。」 と私を自分の足の間に入れて、後ろから抱きしめられた。 ドキドキが聞こえてしまいそう。 「透羽さん、のぼせちゃうから出ますね」 「もう少しこのままでいさせろ」 とそのまま抱きしめられていたが、だんだんと目の前が白くなってきた。 「みう?みう?み・・・う??・・・・」 透羽さんの声が遠のいていく・・・。 ***************** 「海羽!!」 ヤバイ、ほんとにのぼせた!俺は急いで海羽を抱き上げた。 バスタオルにくるんでベッドルームへ連れていく。 冷たいタオルをおでこにおいて部屋を冷ます。 仕事で疲れているのに無理をさせてしまった・・・。 どこかの瞬間に海羽がいなくなるかもしれないという不安に駆られて しまい、離れることが嫌だった。 家の場所も知ったし、連絡先も知った、働いているところは同じ、 素性を知ってもまだ不安だ。でも俺と恋愛を始めるといったからには 俺なしではダメになるようにする。 俺は海羽以外はもう考えらえない。今すぐ結婚してもいいくらいだ。 それが無理やりでは意味がないから、恋愛をしながらそこにたどり着ければ いい。海羽の最後の男は俺だ! 海羽の髪をなでながら、俺は海羽に誓った。 「海羽、愛してる」 ******************* なんか体がだるいなあ・・・・ ここはどこだろう??透羽さんとお風呂にはいって・・・それから ・・・・と考えながら目を開ける。 そこには心配そうに私を見つめる透羽さんがいた。 「海羽。ごめん。俺が無茶させた」 「私・・・・」 「風呂でのぼせた」 そうだ!湯船に一緒に入って後ろから抱きしめられて、ドキドキしてたら 目の前が白くなって・・・・ 「お風呂からここにはどうやって??」 「俺が運んだ」 「えーーーーー裸見ました?」 「当たり前だろ。風呂場でのぼせたんだから」 「///////」 「だから。初めて裸見たわけじゃないだろ」 「そうですけど・・・」 と私は布団の中にもぐった。その横から透羽さんがベッドに入ってきた。 「疲れただろ?今日はもう寝よう。明日、ゆっくり話をしよう」 と私の手を握った。 私も今日はいろいろなことがあって疲れていたので、そのまま眠りに ついた。
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