再開その2(透羽目線)

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再開その2(透羽目線)

俺は抱きしめた後、海羽の手を取り副社長室へ連れて行った。 「透羽さん?ここ副社長室ですよ」 「そう。俺の部屋」 「え?」 「俺はここの副社長もしている。社長は俺の親友だ。 海羽はなぜここにいる?」 「私は、ここで働いています。5年になります」 「なんで2度も俺の前からいなくなったんだ」 「それは・・・」 「いなくなるなら、なぜ俺に抱かれた?」 「・・・透羽さんは私の見た目が好きだと言ってました。 2回とも私はメイクアップしていつもと違う自分でした。 自分でも分かっています。今だって1点もののネックレスだったから 分かったんですよね?地味でつまらない女なんです。私は。 透羽さんの隣にはふさわしくないんです。」 「・・・」 「ネックレスもお返しします。」 「なぜ?」 「なぜって。私は、透羽さんにはふさわしくないから。」 と海羽は首からネックレスを外して、テーブルに置いて部屋をでようとした。 俺は海羽の手を掴んだ。 「離してください」 海羽は俺を拒んだ。 「俺の前からもういなくなるな。本当の海羽ってなんだ。 海羽は海羽だろ?どちらの海羽も俺にとっては海羽だ」 「うそ!」 「俺にふさわしいってなんなんだ。それは俺が決めることで 海羽や周囲が決めることじゃないだろ」 「・・・」 「俺は、1度目も2度目も海羽がいなくなってどうにかなりそうだった。 こんな気持ちは初めてなんだ。自分でも驚いている。」 「・・・」 「もう1度いう。俺と恋愛をはじめてみないか?」 「・・・とう・・わ・さん」 海羽が困っているのが分かる。でも俺は海羽をもう離したくない。 俺は海羽を抱きしめて、海羽の肩に顎をのせた。 「今すぐにとは言わない。でももう絶対に離さない」 と正直に自分の思いを伝えた。 海羽は俺の背中に手を回した。 「私も、透羽さんに会えなくて淋しかったです。 こんな私でよかったら、恋愛してください。」 と俺の背中に回した手に力を入れた。 「海羽。覚悟しとけよ。俺もどんなになるか分からない こんな気持ちで恋愛することは今までになかったからな」 やっと俺は海羽を捕まえた。
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