日常その3(海羽&透羽)

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日常その3(海羽&透羽)

昨日、長内さんと会って驚いた。 私とお付き合いしていた時はあんな感じではなく、物腰の柔らかい 優しいかただった。 初めて体を重ねた時もとても優しかったのに、本当は私を・・・・ 考えたくない。 家に帰ったら透羽さんが優しく体を洗ってくれた。長内さんが触れたところを 消毒といって、透羽さんの俺のものマークに変えられていく。 さっきまで怖くて体の震えが止まらなかったのに・・・。 ベットまで運んでくれた透羽さんは、 「明日は休みだからゆっくり休むといい。俺は仕事が残っているから 先に寝てていいよ」 と部屋を出ていった。 なんとも言えない気持ちになった。透羽さんを欲している自分がいる。 長内さんを忘れさせて欲しい。思い出したくない。 リビングで仕事をしている透羽さんを後ろから抱きしめた。 透羽さんはビックリしている。 「海羽?どうした?」 「透羽さんが隣にいないと眠れないの。」 「珍しいな。海羽が俺に甘えるなんて。すぐに終わらせるから待っててく・・」 私は透羽さんの前に回って唇を奪った。 更に透羽さんは驚く。 「海羽?海羽?待てって」 涙が出そうなのをうつむいて隠すように強く抱きしめた。 「待てないの・・・透羽さん・・・怖い・・・あの人を思い出したくない。 抱・・い・・て・・?何も考えられなくなるくらい・・・」 ****************************************** 家について海羽と風呂に入った。まだかすかに体が震えている気がした。 海羽の体を洗った。長内の触れたとこを忘れさせたくて、あいつが触れたところにキスマークをつけていく。そうしていくうちに海羽の震えは止まった。 海羽をベットまで運んだ俺は、 「明日は休みだからゆっくり休むといい。俺は仕事が残っているから 先に寝てていいよ」 と部屋を出た。 今日は嫌な思いをしただろうから、抱くのはよそう。 少し残した仕事をしていると、急に背中が温かくなった。 海羽が俺を後ろから抱きしめてきた。 俺が隣にいないと眠れないという。 「珍しいな。海羽が俺に甘えるなんて。すぐに終わらせるから待っててく・・」 俺が言葉をいい終わらないうちに海羽は俺の前に回って俺の唇を奪った。 俺は驚いた。いつも恥ずかしがって自分からキスなんてしてこない海羽が 今日は自分から俺を抱きしめて、俺にキスをしてくる。どうしたんだ? 海羽を落ち着かせようと思い、海羽をこちらに向かせようとしたが うつむいて俺を強く抱きしめてくる。 「待てないの・・・透羽さん・・・怖い・・・あの人を思い出したくない。 抱・・い・・て・・?何も考えられなくなるくらい・・・」 海羽はまだ恐怖を感じていたのか? 「海羽。気が付かなかった。悪かった。あいつのことなんか考えなくていい 俺の事だけを考えろ。見てろ。」 俺は海羽の顎を俺に向けるようにし、熱い口づけをする。それに海羽が 応える。お互い夢中になって唇を奪い合う。 海羽の体の力が抜けて膝から崩れ落ちそうになるのを支える。 俺は海羽を抱き上げベットルームに向かった。 海羽をベットにそっと降ろす。 少しの沈黙の中で目が合う。そして抱き合う。 俺は海羽の恐怖を拭い去るように、海羽を抱いた。 海羽は何度も俺の名を呼び意識を遠のかせていった。 海羽の寝顔を見てリビングに戻って電話をとった。 Turu・・・・「はい」 「遅くに悪いな。」 「今日はありがとな。どうしたんだ?」 「今日のパーティーに海羽の前の男がいた。」 「え?」 「長内仁志だった・・・」 「長内・・・そっか・・・」 「あいつの悪い話しか聞かないだろ。」 「そうだな。ご両親がなくなってから自由奔放にやってるみたいだからな。」 「両親に支配されてたんだろうな。あいつの海羽を見る目がヤバイ気がする」 「ヤバイ?」 「海羽を無理やり連れだそうとして止めた。」 「は??」 「皆川京香が長内に声をかけていたのを帰り際にみた。あの女も一癖 ありそうな気がする。」 「皆川京香かあ。面倒だな・・・。申し訳ないことになってしまったな」 「お前のせいじゃない。ただ嫌な予感しかしない。」 「同感だな。海羽ちゃんは?」 「おびえていたよ。長内は海羽をおもちゃにする予定だったと言っていた らしい。」 「おもちゃ・・・」 「長内の本性をみて驚いたんだろう。家に戻っても俺から離れなかった。 やっと眠ったところだ」 「お前と一緒に住んでてよかったな」 「ただ俺もこれから少し忙しくなるから家にいないことも日本にいないこと も多くなる」 「そうだな。俺や奈菜でできる限りのフォローするよ。海人くんやまひろちゃんにも伝えておいた方がいい。どんな手をつかってくるか分からない」 「ああ。悪いな」 「明日にでも海人くんも誘って、幸太郎の店で作戦会議をしよう」 「Thank you!」 電話を切って水を飲む。俺もかなりテンパっていたんだと実感する。 ベットルームに戻って、海羽の隣に寝る。 海羽は自然と俺にくっついてきた。俺も海羽を抱きしめる。 海羽の寝顔を見て、絶対に海羽を悲しませないと誓った。
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