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現実(海羽目線)
シンデレラタイムから覚めた私は、今日も仕事にいく。
シャシャッとメイクして、適当に着替えて・・・。
鏡の中の私は、いつものどこにでもいる普通のOL。
昨日のことが本当に夢みたい。
お腹の奥に鈍い感覚が残ってるから夢ではない。
昨日のお礼をまひろと今野にしないと。
あまり眠れなくていつもより早く会社に到着。
誰もいないオフィス。なんか新鮮だな。ちょっと散策しちゃおう!
社長室とかいかないなあ。って当たり前か。
うちの社長は超イケメンで有名。ん?副社長室??そんな人いたかな?
あってエレベーターがこの階にきちゃう。階段で戻ろうっと。
「海羽。おはよう」
「まひろ、今野、昨日はありがとね。」
「あの後どうしたの?」
「う・・ん。ちょっと買い物して帰ったよ」
「そうなんだ。分かったでしょ?女子力あげたら海羽は今もかわいいけど
もっといい女になれるんだからね!」
「う・・・ん」
「じゃあな。まひろ、真野」
部署の違う今野は別のフロアへ移動した。
今野を見送ったあと、まひろは私をトイレに引っ張っていった。
「海羽。昨日何があった?」
「え?」
「キスマークついてる」
と私の首筋をおさえた。
「///////」
私はあわてて首筋を隠した。
「海羽??」
「後で話すから」
仕事中は、まひろにどう伝えたらいいかが頭から離れなかった。
定時になって、まひろがすぐにやってきた。
「海羽。さあご飯いこう!」
「今野は?」
「海人はいいのよ。海羽の方が大事」
「明日は休みだから、今日は海羽のうちに泊まるよ!」
その方が妊婦のまひろにはいいよね。
帰りに食材を買って家に。
「まひろは座ってて。適当になんか作るね」
「ありがとね」
私は適当に夕飯を作った。食後にケーキと紅茶を出したら、
「で、昨日何があった?」
とまひろに聞かれて、昨日まひろと別れた後のことをすべて話した。
まひろはビックリしていた。
「海羽。その人の事、どう思ってるの?」
「分からない、でも昨日は透羽さんと一緒にいたいって思った」
「そっかあ。出会ったんだね。」
「でも、昨日の私は私じゃない。今の私と会ってもきっと気づかない」
「マンションの場所は覚えてるんだよね」
「覚えてない。無我夢中で帰ってきたから」
「覚えてることは?」
「行ったBARと、赤い車に乗ってたこと。仕事がサービス業って」
「じゃあBARの人に聞いてみる?」
「いいよ。まひろ。大丈夫だから。シンデレラがもとに戻っただけ
だから。」
「海羽ーー」
と自分に言い聞かせてる私がいた。
それからもいつもの日常が続いた。
シャワーを浴びるたびに体中のキスマークに目がいく。
あの日を嫌でも思い出す。でも時間が過ぎていくとキスマークが
薄れていく。
淋しくなる自分がいる。透羽さんに会いたい。
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