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現実その3(海羽&透羽)
<<ホテル アーカンジェラ>>
★海羽★
「着いたね。まひろちゃんのところに行きましょう!」
新婦の控室に行く。そこには真っ白なウエディングドレスを着た
まひろがいた。
「海羽ーーーほらやっぱりキレイだよ。もったいないよ」
「まひろ。おめでとう!体調は大丈夫なの??」
「うん。大丈夫だよ。海羽あとでいっぱい写真撮ろうね!」
「まひろとしか撮らないよ。恥ずかしもん」
と新婦の控室を後にした。会場の前には今野と会社の人たちが
談笑していて、今野がこちらをみて手を振ってきたから、振りかえした。
『海人、あれ誰だ?』
『真野だよ。』
『えーーマジか。ビックリだなあ。俺狙っちゃおうかな』
『まひろチェックが厳しいから無理だな』
会社の人たちにそんな話をされているなんて知らずに、私は自分の部署
の人たちのところに行く。
「お疲れ様です」
「え?あの・・・」
「真野ですよ。」
「真野さん?知らない人かと思ったわ。いつもナチュラルメイクだから
ビックリしたわよ」
「まひろが手配をしてくれたんですけど、落ち着かないです。」
「会社の男性陣がざわめいてるはずね。いつもそうしてくればいいいのに」
「人に見られるのは好きではないので・・・今日も早く帰りたいです」
お式が始まった。
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★透羽★
「透羽。スーツいいじゃん」
「気分転換に新しの作ったんだ」
「気分転換ね。幸太郎くんが元気がないっていっていたが
本当みたいだな。この前の女に振られたのがよっぽど堪えてるんだ」
「うるさいんだよ。こうしてきてやってるんだからありがたく思えよ」
「社長命令だっていっただろ?今日は飲めよ。面倒くさがるだろうと
思って迎えに行ってやったし。部屋を取っておいたから泊まってのんびり
するといい」
「わかったよ。社長さん。」
「チェックインだけしておけよ。透羽」
「はいはい」
今日はやけに人が多い。ああ、結婚式かあ。
チェックインをして部屋に行く。バックをおくとバックから白いBOXが
転がった。俺はいつ海羽にあってもいいようにこの前買ったピアスとネックレスを持ち歩いている。
いつ会えるかもわからないけどな・・・・。
颯真からの電話
「始まるから降りてこい!」
面倒だが、行くか。俺はパーティー会場に移動した。
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★海羽★
まひろの結婚式はステキだった。
挨拶を頼まれてたけど、恥ずかしいから先輩にお願いした。
感動して泣きっぱなしだった。
「2次会に行く人!」
となったが私はこのままでいたくはないので、まひろと今野と沙織さんに
声をかける。
会場を後にする前にお手洗いに行こう。
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★透羽★
颯真の横でいろいろな人と名刺交換やら挨拶やらをする。
いい加減疲れたな。飯もろくに食えない。酒だけが胃に
入っていく。
もうどのくらいの時間が経ったんだろう。
ああ面倒だ。愛想笑いも疲れた。
会がお開きになり、颯真とホテルの入口までいきタクシーを見送る。
早く、部屋に戻って風呂でも入ろう。
と、エレベーターの上のボタンを押したときだった。
俺の目に飛び込んできたのは、海羽だった。
あれは絶対に海羽だ。1度しか会ってないが間違えるわけがない。
俺は海羽を追いかけた。
そして海羽の腕を掴んだ。
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★海羽★
お手洗いによって、気持ちをリセット。
今日は楽しかったけど疲れたなあ。
早く家に帰って、お風呂にはいりたいなあ。
トイレからでて、ホテルを後にしようと思った時
急に後ろから腕を掴まれた。
「え?」
振りかえると、そこには汗だくの透羽さんがいた。
「はあはあ。海羽・・・海羽だよな・・・」
急な出来事に何も声がでない。
「とう・・わ・・さ・・・ん」
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