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透明な蝶
君は誰よりも綺麗だよ
最期は選びたいでしょう
暗がりの髪
陶器のような肌
血のような赤い唇
蝶の触覚のような睫毛
可哀そうだね
絶望の日々を知って
透明になりたいんだろ
自分が何者かも知らずに
呼吸のできない魚みたいにもがいてる
終わりをくることを願っているんだろ
君はその胸にナイフを突き立てられることを夢見ているのさ
僕が
偽善の花びらで
嘘だらけの言葉で沈めてあげる
モルフォ蝶がいつか
君を透明にするまで
さぁ、おやすみ。
✤✤✤
蝶の連続殺人鬼と呼ばれた美しき殺人鬼エリオットはこうして、多くの少女たちを手にかけました。
彼女達の骸はモルフォ蝶へのディナーです。
唯一生き延びたアリシアは、彼に命を捧げる事を夢見ていたのです。
愚かなアリシアは他の少女たちと同じようにエリオットの透明な蝶になりたかったのです。
でも、それは永遠に叶わないでしょう。
連邦保安官の手をすり抜け、彼はヨーロッパの闇夜に紛れました。
新たな哀れで悲しく美しい獲物を見つけるために。
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