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久しぶりのデートに、服もメイクもばっちり決めたつもり。
私が映画館に行くと、大和くんは既に来ていた。
軽くこっちに手を挙げてくる仕草も、かっこいい。
「ごめん、待った?」
「今来たとこ」
大和くんがそう言うなら、そうなのだろう。
待たせなくて良かったと、ホッとする。
「じゃあ行こうか」
私はくっつきすぎないようにしながら、大和くんの隣を歩く。
ソーシャルディスタンス、大切。
ああ、実物の大和くんだ。
私はついデレデレしてしまう。
案内が流れて、劇場内に入ってから、私は思い出した。
そういえば……。
「あ、席ってひと席空けなんだね」
大和くんの言葉に、私はがっくりと頷く。
「うん、そうみたい」
そっか、と何事もなかったかのように座る大和くん。
私は更にがっくりときた。
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