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大和くんは、離れてても気にならないんだ。
私もすごすごと自分の席につきながら、思う。
私が大和くんを好きなほど、大和くんは私を好きじゃないのかな。
映画が始まっても、私は全然中身に集中出来てなかった。
ああ、手を繋ぎたい。
でも隣じゃないから届かない。
いや、もし隣でも、手を繋げていたかな?
告白してOKは貰ったけど、単に優しさで頷いてくれただけでは?
考えれば考えるほど、ドツボにはまっていく。
高校に入学して、席が隣だった大和くんに一目惚れして。
それから大和くんが教科書を忘れた時に見せたり、教室移動の時に偶然を装って一緒に行ったりして、接点を増やしていった。
途中、コロナのせいで休校になったりもしたけど、何とか連絡を取り続けてた。
それで夏休みに入る前に、今しかないと思って告白した。
そしたら、まさかのOK。
あれは夢だったんじゃないだろうか。
私は映画そっちのけで大和くんの横顔を眺めた。
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