君との距離

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映画が終わって、大和くんが 「面白かったな。特にあのシーンがさ」 と話しかけてくれたけど、正直全く見ていなかった私。 「う、うん?」 と曖昧に返事をすると、大和くんは黙ってしまった。 「大和くん?」 私が慌てて声をかけると、大和くんは顔をしかめた。 「……別れよう」 「へ」 「別れようって言ったんだ」 急な言葉に、私は固まる。大和くんは、続けて言った。 「告白してくれたからOKしたけど、正直そこまでじゃなかったし。なんかいつも、どうでも良い事でLINEしてくるのも、どうかと思ってた。今日だって、映画行こうって言ったのはそっちなのに、全然観てないし。ちょっと意味分かんないんだよね」 いつもは寡黙な人が喋ると、こんなにも破壊力。 なんて事を考えてる場合じゃなかった。
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