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「大和くん、そ、それはね」
「いや、もう良い。聞きたくない。それじゃ」
大和くんはそう言うと、私からどんどん離れていく。
私は、そこから記憶が途切れた。
気が付くと、いつの間にか自室に帰ってきていた。
耳にはイヤホンが入っていて、音楽が流れている。
あ、これ、大和くんから借りたCDだ。
私は自分が泣いているのに気付いた。
あーあ、独りよがりだったか。
言い聞かせてみるけど、涙は止まらない。
LINEにスカイプ。
画面越し。
心の距離も、どんどん離れていっちゃったな。
いつか、ひと夏の思い出として懐かしく思う日が来るのかな。
心がじわり、と痛む。
そんな日は、なかなか来そうになかった。
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