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そのスーツ姿の復活した死者の体は極端に大きくなり、私がいる家を超えるほどの巨体になった。
きっと、体を大きくするというサイコロの能力なのだろう。
その巨体の復活した死者は私がいる家に向かって歩いてきた。
相変わらずただ歩くだけだが、まるで巨人である復活した死者の歩幅は極端にでかく、一気に距離を詰められる。
私は回転の指輪を駆使して、その巨人から逃げる。
逃げても逃げてもその巨人は大きな歩幅で距離を詰めてくるが、回転の指輪により、まるで瞬間移動のようにして、私は屋根の上を移動し続ける。
一時的には距離を詰められるがトータルでは私の方が速いため、愚鈍に歩き続けるだけの巨人では追い付けないだろう。
だが、私の目が地面での一つの異常を発見した。
地面にて、ランドセルを身に着けた少年の復活した死者がいたのだが、その復活した死者も、サイコロを振ったのだ。
瞬間、その少年の腕が伸びてきた。
その少年は、体の何十倍もあるほどに伸びた腕を私の方に向けてきた。
大きくなるサイコロの次は、腕を伸ばすサイコロか。
私は辟易とする。少年の腕と巨人により挟み込まれてしまった。
私は姿を変える。
結局、この復活した死者に攻撃は効かないのなら、逃げることに特化しよう。
私は獣の指輪の能力を使い、獣になるのだ。
私の体から、銀色の毛が生えてきた。
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