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銀色のサルに私は姿を変えた。
このサルの情報が頭の中に流れ込んでくるが、どうやら俊足のサル、キキキという名のサルらしい。
今の状況にはぴったりだ。私はサルの身体能力の驚異的な跳躍力で少年の腕を避け、先に進む。
このサルに姿を変えている際には、鉄砲の能力も回転の指輪の能力も使えない。
だから私は、サルの姿と人間の姿を交互に変え、瞬間移動のような回転の指輪の能力と、跳躍力の著しいサルの姿を駆使して、村の先まで向かった。
そしてそれは案外有効なようで、私は比較的危なげなく、村の端に来れた。
村の端では、腰くらいの高さしかない木製の立垣が村を囲うように存在していた。
あの立垣を越えればゴールだろう。
何とかクリアできそうな私は、屋根の上で少しだけ安堵した。
「なんだあれ?」
私は、立垣の上を凝視してしまった。
立垣の上、見慣れぬ何かが座っていた。
真っ黒な骸骨だ。
復活した死者は体の一部にて白骨が見えていたが、立垣の上に座っていた存在は、全身が骨なのだ。
そして、その上半身は裸で、あばら骨がむき出しになっている。その下半身には、足首までの長さの真っ黒な腰巻を纏っている。
そんな奇妙な骸骨がいた。
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