18人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
息が荒れる。
私こと霧山 霞は、とにかく走っていた。
青空を背景に、雲よりも高くそびえ立つ一つの塔が存在していた。
そして、その塔に巻き付くように、螺旋階段も存在している。
私はその階段を登る。
ただただ登る。
息が荒れる。
だが、私はその階段を登っていた。
何故登るのか?
死の大陸に入ってからの一番最初のミッションが、この天高い塔を登れというものだったからだ。
だから、私は登る。
まだ、この死の大陸がどんなところかすら分かっていない。
だが登る。失敗した際の罰金も成功した際の報酬も100万ゼンだから、死んでも登りきらねばならない。
しかし、私の体力では、この塔を登り切るまでに力付きてしまう。
だから私は、サイコロを振った。
サイコロは計10の目を出し、私は獣の指輪の能力で、クチバシと目つきの鋭い、大きな黒鳥に姿を変えた。
「これなら、なんとか」
私は走るのをやめ、羽ばたいた。
まるでゾウのように大きな鳥になっているのが分かる。
頭にこの黒鳥の情報が流れ込んでくる。
死鳥 レオダス
そんな名の鳥らしい。
どうやら気性が荒く、出会った人間はほとんど殺されてしまうから、この二つ名が付いたらしい。
私はその黒鳥の状態で、この塔の頂上に向かって飛ぶ。
走っていたのがバカらしくなるほどの速度で、私は塔の頂上に進むことができた。
そして、私はこの塔の頂上の平らな場所に、舞い降りた。
最初のコメントを投稿しよう!