始まりの鳥

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息が荒れる。 私こと霧山 霞は、とにかく走っていた。 青空を背景に、雲よりも高くそびえ立つ一つの塔が存在していた。 そして、その塔に巻き付くように、螺旋階段も存在している。 私はその階段を登る。 ただただ登る。 息が荒れる。 だが、私はその階段を登っていた。 何故登るのか? 死の大陸に入ってからの一番最初のミッションが、この天高い塔を登れというものだったからだ。 だから、私は登る。 まだ、この死の大陸がどんなところかすら分かっていない。 だが登る。失敗した際の罰金も成功した際の報酬も100万ゼンだから、死んでも登りきらねばならない。 しかし、私の体力では、この塔を登り切るまでに力付きてしまう。 だから私は、サイコロを振った。 サイコロは計10の目を出し、私は獣の指輪の能力で、クチバシと目つきの鋭い、大きな黒鳥に姿を変えた。 「これなら、なんとか」 私は走るのをやめ、羽ばたいた。 まるでゾウのように大きな鳥になっているのが分かる。 頭にこの黒鳥の情報が流れ込んでくる。 死鳥 レオダス そんな名の鳥らしい。 どうやら気性が荒く、出会った人間はほとんど殺されてしまうから、この二つ名が付いたらしい。 私はその黒鳥の状態で、この塔の頂上に向かって飛ぶ。 走っていたのがバカらしくなるほどの速度で、私は塔の頂上に進むことができた。 そして、私はこの塔の頂上の平らな場所に、舞い降りた。
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