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私は銃口を狼男になった下北に向けた。
さらに、下北の口の中、大きな鉄の球が入り込んだ。
この鉄の球は、杏奈ちゃんの能力だ。
その鉄の球が狼男の口の中で、その口が閉じられるのを防いでいた。
私の銃は、火炎放射器という種類の、とても殺傷能力の高い銃だ。弾ではなく炎が出て、相手を倒せる。
それでも下北はお構いなく、自らの能力にてその体を鉄に変えた。
そして思い切り口を閉じ、杏奈ちゃんが口に入れた球に喰らいついた。
そして、その球にはヒビが入っていった。
「なんで、私を殺したいの?」
私は火炎放射器の銃口を下北に向けながら尋ねるが、下北は答えず、その口を完全に閉じた。そして、杏奈ちゃんの球は粉々に砕けた。
「人の口にゴミが入っている時にものを尋ねるなんて、お前、どんな教育を受けてきたんだ?」
下北は皮肉たっぷりにそう言った。
「あんたに言われたくないよ」
「ああ、それは確かに」
下北は真っ黒な狼の姿で銃口を避けつつ私に飛びかかってくるが、私は回転の指輪の能力にてさらにそれを避ける。
そして、再び銃口を向ける。
「俺はお前を殺しそこなった。二回もだ。だから、お前を殺す。
このステージのミッションもそれを求めている」
それは確かにそうだろうな。
私はこの男は大嫌いだが、今回のミッションでは、あながちこの男の今の行動は誤りではない。
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